クッション付きの椅子などに比べると木の椅子は硬く、疲れやすいというイメージがあります。しかし、それは必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。椅子の座り心地、また座った際の疲れやすさは、
1、圧力の分散 2、背骨のカーブ 3、高さ
の3点にほぼ集約されます。
1の“圧力の分散”は、体重をいかに広い面積で支えるかということです。平らな板の上に座った場合、体重はお尻の骨の部分2点に集中してしまい、とても疲れやすくなります。その点において柔らかい座面は圧力を分散させ、疲れにくくなります。しかし、逆に言えば硬い素材でもうまく形状を作ることで圧力を分散させることができます。純木家具の椅子はお尻から太腿、膝裏にかけてカーブをつけてあり、広い範囲で体重を受けるように加工されています。

“圧力の分散”にかけては力を発揮する柔らかい素材ですが、2の“背骨のカーブ”に関しては欠点を見せる場合が多くなります。柔らかい座面は圧力を分散させる反面、力がかかる部分が大きく沈み込み、背中が丸まってしまいがちになります。最も安定し、疲れにくい姿勢は直立したときと同じように背骨がS字カーブを描く形です。したがって、いわゆる“猫背”になりやすい柔らかいクッションは疲れの原因ともなります。これも背の部分にカーブをつけることにより、イメージとは逆に硬い素材ならではの“疲れにくさ”が実現できるのです。

市販の椅子は必ずしも万人向きではありません。特に小柄な女性は疲れやすく感じることが多いはずです。これは椅子が高すぎる場合に起こります。太腿の裏、膝の裏には神経があり、これが圧迫されることで脚の痺れが起こります。椅子の多くは成人男性の体格に合わせて作られており、小柄な方が座ると踵(かかと)が浮くケースが少なくありません。さらに外国に倣って靴を履いて座ることを想定してあるケースもあり、室内で使用する場合にはその傾向がさらに顕著になります。純木家具は「家庭の椅子にもっとも長く座るのは主婦を中心とした女性である」という意識の元に、低めの椅子を生産しています。もちろんお客様一人一人に合わせた高さでの製作も可能です。ご注文の際には必ず椅子に座り、高さをご確認ください。